出家スタート


住まいや仕事もまったく違う見ず知らずの男たちに共通するのは、遠く離れ
た日本からやって来たことと、出家したいという気持ちだけです。

初日は誰もが緊張します。
簡単な自己紹介の挨拶を済ませても、人数が多いためなかなか名前を覚えら
れないかもしれません。それでもこれから共に住む仲間たちです。出家という
同じ目標があるからこそ、相手と目が合う度に「〇〇さん」と意識的に名前を
呼び合えば、不思議なほど自然と打ち解けていきます。

最初に行なうのは健康診断です。タンマガーイ寺院の中には衛生的な診療所
が併設されており、簡単な病気や怪我はここで診てもらうことができます。こ
れから始まる20日間の生活を安心して過ごすために、健康診断では検尿、採
血、体重測定などを行ないます。

診断書はタイ語で書かれていますが、日本人ガイドが一緒に居てくれるので
全く心配ありません。ここでも参加者の共通の話題は出家をすること。行き帰
りの車内ではすぐに皆と仲良くなれるでしょう。

初日は今後の生活についての詳細な説明があります。
朝は4時30分起床だということ。食事は1日2回だということ。出家式まで
にお経を覚えなければならないこと。規則正しい生活をしなければならないこ
と。

詳しい生活サイクルに関しては後ほど説明しますが、全てが始めての経験で
不安になることもあるかもしれません。ですが、日本人出家コースには日本語
が堪能なタイ人の僧侶が常駐しているので、安心して瞑想に集中できる環境が
整っています。


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