瞑想とは


瞑想は東洋的で非科学的なものとして取り扱われているのも事実です。しか
しその効果は近年、科学的に認められはじめています。
世界中の大学やいくつもの公的な研究機関が瞑想についての効果を実証してお
り、米国の大手企業であるGoogle 社やデパートチェーンのTarget 社、そして
大手食品メーカーGeneral Mills 社も瞑想を取り入れています。
 
NBA のスタープレーヤーであったマイケル・ジョーダンが精神を集中させ、
試合で能力を遺憾なく発揮するために禅を行なっていたのは有名な話です(禅
はインドで生まれた瞑想法の一つです)。彼が、「ゲームの最後の場面で、禅の
おかげで観客が静かに感じられた。周囲の動きがゆっくり見え始め、コートが
よく見えた」と語るとおり、瞑想は周囲の把握と冷静さ、集中力をもたらして
くれるのです。

また、瞑想はアップル社のスティーブ・ジョブズやマイクロソフトのビルゲ
イツ、京セラ・KDDI の稲盛和夫など、大企業の多数の経営者も取り入れてい
ます。経営者やアスリートが当たり前のように瞑想の習慣を持ち、定期的な実
践を奨めています。多くの成功者や成功企業が実際に瞑想を生活の中に上手く
取り入れて、その効果によって素晴らしい成果を手にしています。非科学的と
言われながら多くの人が実践し、成果を上げている瞑想。瞑想を行なうにあた
り、予備知識はほとんど必要ありません。少しでも疑うのなら、試してみる価
値は高いでしょう。

瞑想は近年ではセルフコントールの分野において、集中力や行動力を高めて
くれる有効性が証明されています。しかし一方で、心を起点とした技術でもあ
るので、人によって効能が異なるというイメージも少なからずあります。
 タンマガーイ寺院は、ルアンポー・タンマチャヨーとクンヤーイ・アージャー
ン・チャンという二人の堅い決意のもとに設立され、たった40年間で10万
人以上の信者をもつ大きな寺院へと成長しました。

これほどまでの短期間で多くの人に受け入れられる寺院に成長したのは、そ
の瞑想方法にこそ秘密があります。仏陀が確立した瞑想法は実に数十種類ある
のですが、入滅後2600年間で失われてしまった方法もたくさんありました。
タンマガーイ寺院が実戦した瞑想方法はその再発見とも言われており、誰もが
イメージしやすく自問自答が明瞭で、かつ心の平穏を手に入れやすい方法だっ
たのです。

そもそもなぜ出家者は瞑想をする必要があるのでしょうか?これは仏教の説
く「涅槃」と深く関係しています。言い換えれば、苦しみをなくすために瞑想
を行なうのです。
心の汚れを除き綺麗にするため。智慧を得るため。二度と生まれ変わらないた
め。仏陀は「一切は苦である」「生きること、存在そのものが苦である」と発見
された方です。

苦しみとは、他の誰かから与えられるものではありません。私たちは移り変
わる物を「永遠」と信じ、一時しのぎの安楽を「幸せ」と考え求め、ありもし
ない「自我」にしがみつきもがき続けています。苦しみを生み出す根源が、自
分の中の「欲」や「無知」だと気づくためには、今この瞬間の体・心・感覚と
一切の現象をありのままに正しく観察し、自ら「体験」する必要があります。
その手段が瞑想なのです。

人間の心は90%以上は外に向いています。無意識にいろんな雑念に縛られ
て生きているともいえます。例えば、今日あなたの親が誕生日でレストランに
行き食事をしている時に、遠くの席で店員を怒鳴り散らしているお客様がいる
とします。そのようなシチュエーションでは「うるさいな」もしくは「何事か」
と不安を感じるでしょう。

この「うるさいな」「何事か」と思っている瞬間、あなたの集中力は削がれ、
知らず知らずのうちに家族との大切な時間が奪われているのです。これらは思
考しようと思ってしているわけではありません。自然に、意図しないところで
勝手に発生した気持ちです。つまり、自分の大切にしたい時間は外部の変化に
よってたやすく邪魔されてしまうということ、言い換えれば、常に外部からの
刺激に晒されて人は生きているのです。これを雑念と呼ぶこともあります。

人は何かに意識を集中しなくても、勝手に物事を思い浮かべてしまいます。
雑念は、周囲の環境や雰囲気の変化にその都度反応し、意識とは関係のない思
考や気分を私たちに生じさせます。これは無意識がそうさせているためで、こ
の働きは生きている限り永遠に続きます。自分の頭に浮かぶことは、自分で完
全にコントロールできている事柄だけではないという証明でもあります。

雑念(自分でコントロールできない気持ち)は飼い馴らされていない猫のよ
うなものです。餌をあげて仲良くなってからでないと近づくことすらできませ
ん。捕まえようと焦れば焦るほど猫は警戒し、自分の場所には来てくれないで
しょう。じっくりと時間をかけて近づくしかないのです。

良い結果を期待しないことが良い瞑想を行なう秘訣でもあります。どんな人
も瞑想によって無意識下の心を制御し、自分の意志や欲求を守り、為すべきこ
とを為すための力を手に入れることができます。瞑想とは何も考えないことで
あり、自分の心を見ることでもあります。これを続けると自分の今の状態がわ
かるようになっていきます。
歩いているとき、食事をしているとき、誰かと待ち合わせをしているとき。

瞑想はいつでもどこでも行なうことができます。瞑想を行なうことにより、自
分の意志や意図を行動に反映させることが簡単に出来るようになったり、周囲
の情報に振り回されず的確な判断を下し、行動することができるようになりま
す。


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